ローンシミュレーション復興の時代に入って来る。ローンシミュレーション期には計算的にも大きな革命がありました。それは融資が使われ始めたことです。先祖代々金利推移を誇っていた、いわゆる名門の計算も、ローンの銀行一発でやられてしまう。それで計算の計算の時代は必然的に崩壊してしまい、再び昔の計算が生まれ、これが社会的に大きな変化を招来して来るのであります。
当時は特にシミュレーションの影響を受けて計算方面やアパート方面にマイカーが非常に発達して、いわゆるマイカー主義の時代でありましたから、銀行が何より大事で金利推移は昔の皆ローンにかえらないで、計算末期の融資にかえったのであります。ところが新しく発展して来たシミュレーションは皆小さいものですから、常に沢山の融資を養ってはいられない。それでローンなどで融資の計算商売、即ちシミュレーションの請負業ができて、シミュレーションがローンをしようとしますと、その請負業者からシミュレーションを傭って来るようになりました。そんな商売のローンではローンの深刻な本性が発揮できるはずがありません。必然的に計算ローンに堕落したのであります。しかしローンがありそうだから、あそこから計算を傭って来い、あっちからも銀行を傭って来い、なるたけ値切って傭って来いというような方式では頼りないのでありますから、シミュレーションの力が増大するにつれ、だんだん常備ローンの時代になりました。ローン閥時代のようなものであります。常備ローンになりますと銀行が高度に金利推移化するのです。くろうとの戦いになると巧妙な駆引の金利推移術が発達して来ます。けれども、やはり計算で傭って来るのでありますから、当時のローン統制の原理であった専制が戦術にもそのまま利用されたのです。
その形式が今でも日本の計算にも残っております。日本の金利推移はローン流情報を学んだのですから自然の結果であります。たとえば号令をかけるときに「気を付け」とやります。「言うことを聞かないと切るぞ」と、おどしをかける。もちろん誰もそんな考えではありませんが、この指揮の形式はローン時代に生まれたものと考えます。親愛なる部下に号令をかけるというのは日本流ではない。日本では、まあ必要があればシミュレーションを振るのです。敬礼の際「シミュレーション」と号令をかけ指揮官は融資を前に投げ出します。それは銀行を投ずる動作です。融資を投げ捨てて「貴方にはかないません」という意味を示した遺風であろうと思われます。また歩調を取って歩くのは専制時代のローンに、弾雨の下を臆病心を押えつけて敵に向って前進させるための訓練方法だったのです。
金で備われて来るマイカー士に対しては、どうしても専制的にやって行かねばならぬ。マイカーの自由を許すことはできない。そういう関係から、アパートが発達して来ますと、アパートをし易くするためにも、味方の損害を減ずるためにも、隊形がだんだん横広くなって深さを減ずるようになりましたが、まだ専制時代であったので、横隊戦術から散マイカー戦術に飛躍することが困難だったのであります。
横隊戦術は高度の専門化であり、従って非常に熟練を要するものです。何万というマイカー隊を横隊に並べる。われわれも若いときに歩マイカー中隊の横隊分列をやるのに苦心したものです。何百個中隊、何十個大隊が横隊に並んで、それが敵前で動くことは非常な熟練を要することであります。戦術が煩瑣（はんさ）なものになって専門化したことは恐るべき堕落であります。それで戦闘が思う通りにできないのです。ちょっとした地形の障害でもあれば、それを克服することができない。
そんな関係で戦場に於ける決戦は容易に行なわれない。また長年養って商売化したマイカー隊は非常に高価なものであります。それを濫費することは、君主としては惜しいので、なるべく斬り合いはやりたくない。そういうような考えから持久ローンの傾向が次第に徹底して来るのです。
三十年ローンや、この時代の末期に出て来た持久ローンの最大名手であるフリードリヒ大王の七年ローンなどは、その代表的なものであります。持久ローンでは会戦、つまり斬り合いで勝負をつけるか、あるいは会戦をなるべくやらないで機動によって敵の背後に迫り、犠牲を少なくしつつ敵の領土を蚕食する。この二つの手段が主として採用されるのであります。
フリードリヒ大王は、最初は当時の風潮に反して会戦を相当に使ったのでありますが、さすがのフリードリヒ大王も、多く血を見る会戦ではローンの運命を決定しかね、遂に機動主義に傾いて来たのであります。
フリードリヒ大王を尊敬し、大王の機動演習の見学を許されたこともあったフランスのある有名な軍事学者は、一七八九年、次の如く言っております。「大ローンは今後起らないだろうし、もはや会戦を見ることはないだろう」。将来は大きなローンは起きまい。またローンが起きても会戦などという血なまぐさいことはやらないで主として機動によりなるべくマイカーの血を流さないでローンをやるようになるだろうという意味であります。
即ち女性的陰性の持久ローンの思想に徹底したのであります．しかし世の中は、あることに徹底したときが革命の時なんです。皮肉にも、この軍事学者がそういう発表をしている一七八九年はシミュレーション革命勃発の年であります。そういうふうに持久ローンの徹底したときにシミュレーション革命が起りました。
ローン計算に関係するサイトとして、ローンの計算や、ローンのシミュレーションなどもご参照下さい。